製造業において、たった5分の朝礼で現場が意見を出しやすくなります。

現場が意見を出しやすくなる事で、問題発見や改善案をまとめやすくなり、改善効果を上げる事が出来ます。

多くの製造業が朝礼が活用できていません。また未実施の会社も多いと感じます。

実際コンサルに行くと約半数の会社は朝礼を行っておらず、約1/4の会社が週1回、残りが毎日といった割合です。

朝礼を活用するためには目的を明確にすることと、テーマの設定を具体的にしていく事です。

この2つのポイントを押さえるだけで、朝礼の効果がグッと上がってきますので、是非行ってみてください。

朝礼を活用できない事の問題点

中小製造業は朝礼を活用しないと現場力や改善力を上げにくいと考えます。

  • 朝礼を行っていない。
  • ただ顔を合わせて解散するだけ。
  • 嫌々参加している。
  • スピーチを順番に行っているが、一言で終わり。

などなど朝礼を活用できていない状態は皆さんお気づきの通りです。

さて、改善が上手くいっている会社にお伺いすると以下の特徴がみられます。

  • 現場の人の挨拶が素晴らしい
  • こちらの質問に自分の言葉で答えられる

この2つが改善の質が高まる要因であると考えます。その理由として

  • 挨拶が素晴らしい=社内教育(躾)が出来ている。
  • 自分の言葉で答えられる=社内の会議や会話が充実している。

上記のように社内教育、社内会議・会話の充実が考えられます。

いかがでしょうか?こういった企業としてのコミュニケーションが取れている会社と、そうでない会社のどちらが改善上手だと思いますか?

人の事は不確定要素が多いので、非常に難しいですが、社内教育、社内会議・会話の充実に関しては、人を動かすうえで大きな貢献をすると私は考えます。

ですので、朝礼を活用できない事は上記のコミュニケーションが上手く取れていない状態だと考えます。

朝礼を行うメリットと行い方

朝礼を行う事のメリットはそれぞれの立場によって切り分ける必要があります。

経営者

経営理念や経営方針などを全社員に伝える場になる
社員の士気を上げる場として使える

管理者

情報共有の場として使える
社員の健康状態などの確認が行える

現場

現場の意見を伝える場として使える
コミュニケーションの場になる
このようなメリットを踏まえて朝礼のあるべき姿を考えましょう。

誰が?

経営者の出席頻度(週1~毎回)は会社の風土や規模によるかと思います。

毎日参加が絶対ではなく、適度な距離感が合った方がメリハリがついたり、社員が意見を出しやすくなると考えます。管理者、現場は全員参加が基本です。

いつ?

毎日が理想ですが、普段行っていない会社は、週1から増やしていく方が良いかもしれません。

急に毎日だと変化が大きいため抵抗があるためです。

どこで?

現場の全員が集合出来る場所が理想です。また全員の顔が見えるように円形になれる方が良いでしょう。

そういった場所が現場以外にしかない場合はそちらを優先して構いません。

何を?どのように?

経営者は大きな声で挨拶出来るように指導したり、士気をあげるために客先から褒められたエピソードなどを伝えるといいでしょう。また経営理念があれば浸透させるために、毎回理念を伝えるのも一つの手です。

管理者は当日の業務内容や、注意点などを伝えます。また先のスケジュールなどの伝達事項があれば、こちらも共有します。そして社員の顔を見回して健康状態や表情をチェックします。

現場には持ち回りで順番にスピーチを行ってもらいます。朝礼一回に対し、一人で十分でしょう。

その際のテーマは経営者、管理者で決め、あらかじめ伝えておきましょう。

以上が私が考える朝礼の行い方になります。

目的の明確化

朝礼の大きな目的は、社内教育とコミュニケーションだと考えます。

挨拶がしっかり出来るように教育する事
普段機械と向き合っている現場社員が全員と顔を合わせる場を持たせる事
自分の意見を出せるように成長させる事
このような目的設定をしておくとそこに向けて何をすべきか当社なりの工夫が出来ると考えます。

スピーチのテーマ設定

多くの企業が朝礼でのスピーチを採用しては、マンネリ化しいつの間にかスピーチがなくなるといった経験をしています。

自由にスピーチさせる事は非常に難しいのです。

ですから、現場社員のスピーチは成長させる事を目的とします。

  1. 自己開示させる
  2. 自己表現させる

この2つを段階的に行っていく事で少しずつ自分の意見を出せるように成長を促します。

1.自己開示させるテーマ

  • 好きな音楽
  • 好きな食べ物
  • 趣味

など、一つだけ好きなものを中心とした明確なテーマを渡す事で、質問に答えるように自己開示させていきます。

特に好きなものは、今まで仲良くなかった人との共通の話題になったりして、コミュニケーションが活発化していきます。自分の好きなものを口に出すと、関係が良好になるといった成功体験を積ませる事で積極的になっていく事でしょう。経営者や管理者は積極的に話題を拾って、会話をしてあげましょう。

2.自己表現させるテーマ(自己開示の次)

  • おすすめの飲食店
  • おすすめの観光地

など、おすすめといった形のテーマにしてあげる事で、自分の考えを相手に伝えるといった形に切り替わります。

テーマを与えられているので、質問に答えるような感覚ですが、「おすすめ」となる事で「何が良かったのか?」「なぜおすすめなのか?」といった事を表現する必要性が出てきます。

少しハードルが上がったのが分かると思います。

このように少しずつ自己開示させてから自己表現につなげていく事で、彼らの会話力を向上させ、コミュニケーション能力を高めていきましょう。

まとめ

たった5分の朝礼で現場が意見を出しやすくなる理由やメリット、ポイントについてお話しました。

目的を明確にすることで経営者や管理者が運営をしやすくなります。

またその目的達成のためにスピーチを行います。

スピーチのテーマは好きなものからおすすめへと段階を踏ませる事で少しずつ成長を促していきます。

朝礼は5分~10分程度で習慣化できる大きな手段であり、簡単ですぐ出来る事が特徴です。

是非来週から早速行ってみてください。

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GFC 上村正和
GFC 上村正和中小企業診断士・日本生産性本部認定経営コンサルタント・1級販売士

職人一筋、木工加工から精密金属加工までを経験。精密金属加工会社では工場長を務める。現在は、中小製造業を対象に現場が活きる経営のサポートを行っている。コンサルティングを中心にのべ100社の支援実績。「日本の製造業をもう一度世界一にしたい!」という想いで支援を続けている。