「改善ネタに行き詰った!」「現場改善の効果が出てこない」
そんな方は、是非IE手法を実施してみてください。

改善ネタは、まず問題を発見する事、その問題の原因を掴む所から始まります。
IE手法で問題・原因を追究する事が出来ます。

現場改善を行ううえでは利益アップにつながらなければ意味がありません。
IE手法で改善対象や効果が定量的につかむ事が出来るので、どう利益アップにつながるのか明確になります。

今回はそんなIE手法について、実施のポイントについてお話します。

IE=インダストリアルエンジニアリングとは

question

IEはインダストリーエンジニアリングの略です。

日本語では生産工学や経営工学といった呼び方をされています。

インダストリアルの意味は?

インダストリアルを日本語にすると「産業の」「工業の」といった意味となります。

エンジニアリングの意味は?

エンジニアリングを日本語にすると「「工学」「研究」「技術」「科学技術」といった意味合いで使われます。

IE手法とは

分析

IE手法とは、工程や作業を「科学的に」「統計学的」に研究・分析して、問題・原因を追究する分析ツールです。

フレデリック・テイラーさんというアメリカのエンジニアが発案した「科学的管理法」による時間研究や、アメリカのギルプレスさんの動作研究などがIEのもととなっています。

アメリカの軍事力を高めたのは科学的に作業を効率化できた事が一つの要因ではないでしょうか?

日本でもトヨタはIE手法を駆使したカイゼンを行っています。

改善ネタは問題を発見し、原因を見つける事で生まれますので、改善ネタに困っている方は是非IE手法の知識を身に付けていきましょう。

メリット

  • 価値あるもの(作業・工程・状態)とムダなものを分ける事が出来る。
  • ムダをなくし、価値を増やすためには、どうすれば良いかが分かりやすくなる。
  • 正確な数字で捉える事で、改善効果を出しやすくなる。

デメリット

  • IE手法についての知識が必要となる。
  • 生産技術部などのIE手法の実施者が必要となる。
  • 測定・分析に時間がかかる

IE手法の体系

IE手法は、「一番良い生産方法にしていくための方法研究」と、「稼働率の測定や標準時間の設定のための作業測定」の大きく2つに分ける事ができます。

IE手法の分類
  • 方法研究
  • 作業測定

一番良い生産方法を見つけるための方法研究

創意工夫

方法研究は、生産の流れを調査分析する事で、最良の生産方法に近づけていくものです。

方法研究には以下のような手法があります。

方法研究の種類
  • 工程分析
  • 作業分析
  • 動作分析

工程分析(記事準備中)
作業分析(記事準備中)
動作分析(記事準備中)

作業時間を定量的に測るための作業測定

stop-watch

作業測定は、作業や製造方法の稼働率を計ったり、標準時間を設定する場合に使用します。

作業測定には以下のような手法があります。

作業測定の種類
  • 直接測定法
  • 間接測定法
    • 標準資料法
    • PTS法

時間研究(記事準備中)
ワークサンプリングについてはこちら

標準資料法(記事準備中)
PTS法(記事準備中)

IE手法実施のポイント

現場

IE手法を社内で実施できるかは、

  • 知識
  • 経験
  • 人的余裕
  • 時間的余裕

の3つがポイントとなります。
どれか一つでもかけているようでしたら、IE手法の実施のための準備を行ってください。

知識・経験がなくても、いますぐできる動画分析

video

IE手法は知識がないと出来ないものが多いですが、実際に実施する事も経験が必要となる場合が多いです。

そんな時にいますぐ実施できるのは、動画分析です。

スマホなどを使って作業を撮影します。

それを見ながら、動作にかかった時間を計ったり、ムダだと思われる動作に着目したりするだけで、問題点が見えてくるでしょう。

書籍やインターネットの情報を見ながら、IE手法を取り入れていけば、さらに正確な分析が可能です。

人的・時間的余裕がなければ外部に依頼する事も選択肢

busy-man

忙しくて手が回らない場合には、外部に依頼する事で負担を軽減する事が出来ます。

その際は、IE手法について詳しい専門家に依頼する事がポイントです。

主なIE手法の専門家
  • 製造系コンサル
  • 技術士
  • 製造現場出身の中小企業診断士

外部専門家の企業規模・御社の企業規模によって、費用や対応可能範囲も変わってくるので、良く調べてから問い合わせをしましょう。

専門家費用規模特徴
製造系コンサル会社中~大規模生産管理システム導入など一連の経営革新にも対応
チームで大規模なIE分析が可能だが、中小規模は苦手な傾向にある。
多くの分析結果を得られるが、費用が大きくなりがち
技術士中~小小~中規模技術士の得意分野、現場改善のエキスパート
個人単位で活動している方が多く、大規模は対応しにくい。
高齢で頑固なタイプが多く、厳しい指摘になりがち
製造系中小企業診断士小~中規模経営支援に強く、柔軟な対応が得意、中小企業にマッチしている。
製造系の中でも、IE手法が行えるのはごくわずか。
個人単位で活動しており、大規模は対応しにくい。
個々のレベルの差が大きく、見極める事が難しい。

*実際の状況は専門家によって大きく違うため、あくまで参考です。

まとめ

改善ネタにつながる分析、IE手法についてお話しました。

IE手法を行う事で非常に多くの客観的情報が集まります。
私もIE手法をもとに現場改善をする事が多いですが、情報が客観的であり、正確であるため、現場の納得も得やすく、原因も明確になるため、改善効果が大きくなります。

IE手法と聞くと難しく考えすぎてしまいますが、まずは、ビデオ分析で作業のムダを見つけるだけで改善効果を得る事ができます。

是非、自社でビデオ分析での改善にトライしてみましょう。

「効果があったからもっと本格的にやってみたい!」「自社でやってみたけど分からない」「忙しいからできない!」というかたは、是非外部専門家を活用してみましょう。



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この記事を書いた人

GFC 上村正和
GFC 上村正和 中小企業診断士・日本生産性本部認定経営コンサルタント・1級販売士

職人一筋、木工加工から精密金属加工までを経験。精密金属加工会社では工場長を務める。現在は、中小製造業を対象に現場が活きる経営のサポートを行っている。コンサルティングを中心にのべ100社の支援実績。「日本の製造業をもう一度世界一にしたい!」という想いで支援を続けている。