5S活動を長く続けている職場でも、「リーダー次第で進み方が変わる」と感じることはないでしょうか。
5Sの定着には、現場を支えるリーダーの存在が欠かせません。
しかし、リーダーの役割は「指示する人」ではなく、「仕組みを回す促進者」です。

この記事では、5Sリーダーが現場を動かすために意識すべき3つの役割と、
メンバーを巻き込みながら活動を継続させるための具体的な工夫を、実例を交えて解説します。

5Sを続ける仕組みをより深く理解したい方は、こちらの記事もご覧ください。
👉 5S活動を定着させる3つの仕組み|続ける現場に共通するポイント

5Sにおけるリーダーの重要性

5S活動を定着させる上で最も重要な要素は、「制度」でも「チェックリスト」でもなく、リーダーの存在です。
どれだけ良い仕組みを整えても、それを動かす人がいなければ、活動は止まってしまいます。

5Sが続かない現場では、ルールを決める人と現場で動く人の間に温度差があります。
「決めた側」と「やる側」が分離してしまうと、5Sは“形式的な活動”に変わります。
この隔たりを埋めるのが、現場を理解し、仕組みを現実に合わせて動かすリーダーの役割です。

リーダーは、上から与えられた方針を“伝える人”ではありません。
現場の声を吸い上げ、“仕組みを現場に合わせて回す人”です。
現場の中にいて動きを作り出す存在こそが、5Sを生きた活動に変えます。

制度が現場を動かすのではなく、
リーダーが現場を動かし、リーダーの行動が文化をつくる。

5Sの成功は、リーダーが「点検者」ではなく「促進者」になれるかどうかにかかっています。
次の章では、5Sリーダーが果たすべき3つの具体的な役割について解説します。

リーダーが担う3つの役割

5Sリーダーに求められる役割は、管理や点検ではありません。
人を動かし、仕組みを回す促進者としての3つの働きが重要です。
それは、「仕組みを整える」「行動を促す」「成果を共有する」という3つの視点です。

① 仕組みを整える役割 ― 動きやすい環境をつくる

リーダーの第一の仕事は、「メンバーが動ける環境」を整えることです。
仕組みがなければ、どんなに意識が高くても続きません。

たとえば、

  • 清掃当番や点検項目をカレンダーで見える化する
  • 道具の置き場やルールを“やりやすい形”で設計する
  • 短時間でできるミニ5Sを週1回実施する
    こうした仕掛けを作ることで、メンバーは迷わず行動できます。

整頓を維持する仕組みづくりには、3定(さんてい)の考え方が有効です。
👉 3定(さんてい)とは?定位置・定品・定量で整頓を維持する方

動きやすい仕組みを作ることが、
「やる気を引き出す」よりも効果的なリーダーの役割です。

リーダーは、“仕組みの設計者”であり、現場の動線をデザインする存在です。

清掃の進め方や「掃除」との違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
👉 5Sの清掃とは?「掃除」との違いと現場での効果的な進め方を徹底解説

② 行動を促す役割 ― 声かけと場づくりでチームを動かす

次に重要なのは、メンバーの行動を促すことです。
「今日も少しだけ整頓しよう」「この棚を一緒に直そう」――
日常的な声かけや場づくりが、5Sを“自分ごと”に変えていきます。

効果的なリーダーは、叱るのではなく気づかせる質問をします。
「ここが使いにくいと感じない?」「どうしたら戻しやすくなると思う?」
こうした対話を通じて、メンバーは自ら考えるようになります。

声かけは注意ではなく巻き込みの仕掛けです。
一方的に命令するより、チームで考える時間を作る方が長続きします。

清掃を通じて清潔を維持するための仕組みづくりについては、こちらの記事が参考になります。
👉 5Sの清潔とは?清掃との違いと“維持する仕組み”を現場目線で解説

③ 成果を共有する役割 ― 承認でモチベーションをつくる

最後の役割は、成果を共有し、承認の文化をつくることです。
5Sは成果が目に見えにくい活動だからこそ、
「できたこと」「変わったこと」を意識的に共有することが大切です。

たとえば、

  • 改善前後の写真を掲示してチームで振り返る
  • 清掃や整頓を丁寧に行っている人を全体朝礼で紹介する
  • 改善提案や工夫を社内報・掲示板で発信する
    こうした仕掛けが、現場のモチベーションを高めます。

躾が人を育てるなら、
承認は人を動かし続けるエネルギーです。

リーダーは、成果を「評価」ではなく「共有」することで、
活動をチームの誇りに変えていくのです。

人を動かす仕組みや、躾を成長につなげる工夫については、以下の記事で解説しています。
👉 5S活動のコツ!躾を成長に変える仕組み(アイデア)作り

メンバーを巻き込む5S推進のコツ

リーダー一人で5Sを進めようとしても、活動は長続きしません。
現場全体を巻き込んで「自分たちの活動」として定着させることが大切です。
ここでは、メンバーが自発的に関わりたくなる仕組みづくりのコツを紹介します。

やらせるのではなく、一緒に考える

5S活動が形骸化する原因の一つが、「やらされ感」です。
上からの指示で動く状態では、モチベーションは上がりません。
リーダーは“答えを与える”のではなく、一緒に考える姿勢を大切にしましょう。

「どうすれば戻しやすい?」「誰が使いやすい形にしたい?」といった質問を投げかけると、
メンバーは自然に自分の意見を出すようになります。
その瞬間に、活動は「指示されたこと」から「自分たちで決めたこと」に変わります。
自分が関わったルールほど、人は守ろうとするものです。

小さな成功を共有して称える

5Sは大きな成果よりも、小さな進歩を積み重ねる活動です。
だからこそ、できたことをチームで共有し、称えることが重要です。

たとえば、

  • 「この棚を見やすくしたら作業が早くなったね」
  • 「清掃当番が時間どおりに終わった、すばらしい」
    といった声を日常的にかけるだけでも、現場の空気が変わります。
    承認は“やる気を作る最小の仕組み”です。

また、共有には写真や掲示も効果的です。
目で見て「自分たちの改善が形になっている」と感じることが、次の行動を引き出します。

自主性を引き出す関わり方を意識する

リーダーが全てを決めてしまうと、メンバーは“指示待ち”になります。
一方で、任せすぎると迷って動けなくなる。
このバランスを取るには、選択肢を与える関わり方が有効です。

「A案とB案、どちらがやりやすいと思う?」
「今日の清掃はどの範囲を重点的にやろうか?」
といった問いを投げかけることで、メンバーに考える余地を残せます。

主体的に動く人材は、“任せられた経験”の中から育ちます。
巻き込みとは、強制ではなく、関与の機会を作ることなのです。

リーダーが意識すべきマネジメント視点

5Sを推進するリーダーにとって重要なのは、管理ではなくマネジメントの視点です。
「人を動かす仕組み」を理解し、適切なタイミングで関わることで、チームの動き方が大きく変わります。
ここでは、リーダーが意識すべき3つの視点を紹介します。

タイミングを逃さず関わる

改善や行動を促すとき、最も効果的なのは**“気づいた瞬間に伝える”**ことです。
5Sがうまくいかない現場では、リーダーが注意したいことを後回しにしがちです。
しかし、時間が経つほど当事者意識は薄れてしまいます。

「今、ここが良くなった」「この対応、助かった」とすぐに伝えることが大切です。
その場で認められる経験が、次の行動を強化します。
指導よりも“即時のフィードバック”が、現場を変える最大のエネルギーです。

言葉よりも一貫した行動で示す

リーダーの行動は、職場全体の基準になります。
「整理整頓をしよう」と言いながら、自分の机が乱れている――
この状態では、どんなに良い仕組みを作っても説得力がありません。

一方で、リーダーが黙っても整理整頓を続けていれば、
メンバーは“やるのが当たり前”という空気を感じ取ります。
5Sの文化を作るのは言葉ではなく、リーダーの一貫性です。

「言葉で伝える5S」から「行動で示す5S」へ。
これが、チーム全体を巻き込む最も確実な方法です。

フォローアップで仕組みを回す

5Sを定着させるリーダーは、“やりっぱなし”にしません。
改善や清掃の取り組みをフォローアップする仕組みを作ることで、活動が続きます。

たとえば、

  • 毎週の朝礼で5Sトピックを1つ共有
  • 月1回の振り返りで成功事例を紹介
  • チェックリストの更新や改善提案を定期的に見直す

こうした仕組みがあるだけで、現場は“続けやすく”なります。
フォローアップとは、監視ではなく支援を仕組み化することです。

リーダーの役割は、現場を指導することではなく、現場が動き続ける環境を維持すること。
マネジメントとは、チームが自ら動く仕組みを守る姿勢そのものなのです。

承知しました。
それでは最終ブロック「まとめ:リーダーが変われば、5Sが文化になる」を提示します。

この章は、記事全体の締めくくりとして、
“リーダーが変わると現場が変わる”という主メッセージを、
「仕組み → 行動 → 文化」の流れで整理しています。
読後に「自分の現場でもやってみよう」と感じる構成にしています。


まとめ:リーダーが変われば、5Sが文化になる

5Sの定着は、仕組みだけでは続きません。
仕組みを動かし、現場に流れを作るのはリーダーの存在です。

リーダーが「指示する人」から「促進する人」へと変わることで、
現場の雰囲気も、メンバーの意識も大きく変わります。
叱るよりも仕組みで支え、命令よりも行動で示す――
その姿勢が、チームの行動基準を作り、やがて文化を育てます。

制度を動かすのは仕組み、
仕組みを動かすのはリーダー、
そしてリーダーの行動が文化を作る。

5Sリーダーの役割は、活動を回すことではなく、続けられる環境を守ることです。
一貫性のある行動と、メンバーを巻き込む関わりがあれば、
5Sは一時的な活動ではなく、組織のDNAとして根づく文化に変わります。

清掃で整え、清潔で維持し、躾で育て、定着で文化にする。
その中心にいるのが、5Sリーダーです。
リーダーが変われば、現場が変わる――
その一歩が、5Sを“仕組み”から“文化”へと昇華させる鍵なのです。

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この記事を書いた人

GFC 上村正和
GFC 上村正和 中小企業診断士・日本生産性本部認定経営コンサルタント・1級販売士

職人一筋、木工加工から精密金属加工までを経験。精密金属加工会社では工場長を務める。現在は、中小製造業を対象に現場が活きる経営のサポートを行っている。コンサルティングを中心にのべ100社の支援実績。「日本の製造業をもう一度世界一にしたい!」という想いで支援を続けている。