千葉県から製造業を中心とした経営支援を行っている製造現場出身のウエムラです。

経営者の皆さん、経営戦略は立てていますか?
企業規模が小さい会社ほど明確に「戦略」を立てていない事が多いのが事実です。
しかし、成長している会社ほど「戦略」に対する考え方が明確です。

是非当記事を参考に経営戦略の見直しをして頂ければと思います。

経営の戦略とは

経営戦略グラフ

経営理念を目的とするならば、経営戦略はそれを達成するために立てるストーリー・シナリオといった意味合いがあります。

経営戦略は外部環境・内部環境を踏まえて立案します。

思い付きで立案してしまうと、「ニーズがなく売れない」「ノウハウがなく作れない」といった問題に直面します。

また、経営戦略を立てる事で、従業員は必要な戦術を立てるヒントを得る事となります。

経営戦略はフレームワークを使う事で立案しやすくなる!

3C

経営戦略はフレームワークを使用する事をおすすめします。

私が支援している中で使用しているのはクロスSWOT分析です。
クロスSWOT分析を行うためにSWOT分析を行っていきます。

SWOT分析で現状を把握する!

SWOT

SWOT分析とは強み・弱み・機会・脅威の頭文字をとったものです。

現状を把握するために非常に使いやすいフレームワークとなっています。

SWOT分析
  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

SWOTは非常に分かりやすい強み・弱み・機会・脅威という言葉で構成されていますが、いざやってみようとするとなかなか出てこないものです。

そこで、それぞれのポイントを解説していきたいと思います。

強み

自社の強みを見つける事ができれば、戦略に使う武器となります。

私が支援してきた企業では、強みが分からないといったお声を頂く事が多いです。
その理由としては、当たり前に行っている事に強みが隠れてしまっているからです。

強みを見つけていくために必要な事は、お客様がなぜ当社を選んでくれているかという事です。

品質・コスト・納期(QCD)の視点で考えてみると浮かびやすいかと思います。
また、QCD以外のサービス面が評価されている場合もあるでしょう。
例えば、毎週決まった日にお客様のところに出向き、必要な部品や困りごとを確認するといった事です。

QCDについて詳しく知りたい方はこちら

品質・コスト・納期・サービス(QCDS)の強みがわかったら、さらに内部へと深堀していきます。

その際に使用するのが、4Mです。

4Mとは
  • 人(Man)
  • 機械や設備(Machine)
  • 材料(Material)
  • ノウハウや方法(Method)

の頭文字を取ったものです。

QCDSにつながる人・機会・材料・ノウハウ(4M)についてみていく事で、より内部の強みに焦点を当てる事が出来ます。

このように、強みをあくまで内部の資源まで結び付けてあげる事で、戦略の武器を見つける事が出来ます。

弱み

当社の弱みがわかれば、補強するために盾を準備したり、武器を強めて弱みを薄めたりする事が出来ます。

弱みの見つけ方は、強みの裏返しが基本となります。

弱みの例
  • 品質に力を入れる事で、検査時間が増えてしまう。
  • コスト面に力を入れた結果、品質での優位性は特に出来ていない。
  • 短納期は得意だけど、品質、もしくはコスト面では普通だ。

このような考察をする事で弱みを見つける事が出来ますし、やはりここでも4Mの観点で弱みの深堀をしてみてください。

弱みがあれば、それを補えばいいわけです。

皆さんなんとなく気付いているのですが、明確に言葉にした事がなく、改善策を立てるまでに至りません。

強みと弱みを明確にしていく事で、当社の戦略が見えてくるわけです。

機会

強みを活かせるチャンスを見つける事が出来れば、自信を持って事業を進める事が出来ます。

先ほど出てきた強みを活かせる場所が、機会となるわけです。

そこで押さえて頂きたいのは、大きな機会と小さな機会です。

大きな範囲で考える機会は市場の動向です。
小さな範囲で考える機会は、最近増えて来た引合いなどについてです。

この2つが分れば、あとはそのつながりを見ていく事で分析が進みます。

機会の分析例
  • 市場が落ちているのに、引合いが増えているのはなぜ?
  • 市場が伸びていて、引合いもしっかり増えている。今後も期待できる?

このように事実のつながりを見て、さらに考察する事で、より深い情報に気付く事になります。

深い情報に気付けば、ニーズに対して先回りして、お客様が本当に欲しい物を提供できる可能性が高まります。

大きな市場を知るためには、市場を取り巻く環境から考えていきます。
市場を取り巻く環境を知るためには、PEST分析が良いでしょう。

PEST分析
  • 政治(Politics)
  • 経済(Economy)
  • 社会(Society)
  • 技術(Technology)

2022年現在では、アメリカと中国の貿易摩擦がありますし、
ウクライナへのロシアの侵略など、複雑な世界情勢があり、日本の置かれた状況も日々変化が必要となります。
国内の動きとして、働き方改革や、インボイス、電子記帳、食品加工のHACCPへの対応など様々な変化が起きています。

経済的な動向でいえば、DXなどのITへの対応が大きく取り上げられていますし、

社会的な動向では、コロナ禍の問題、SDGsへの対応などの環境問題が現在のトレンドです。

技術的には、小型化に向けた微細加工のニーズや、新素材や新加工法などのニーズは常にありますし、短納期対応への評価が上がっているのも、リードタイムを短縮する技術が求められていると考える事が出来るでしょう。

このような形で我々の周りには多くの変化があり、その一つ一つがどこかで影響し合って、最終的に当社の事業に影響を与えているはずです。

また、小さな範囲の機会に対しては、3Cで見ていくと分かりやすいと考えます。

3C分析
  • 顧客(Customer)
  • 競合(Competitor)
  • 自社(Company)

お客様の成長性や、ニーズの変化などを捉えたり、

競合はどういう戦略を取っているのかを調べ、競合のチャンスは当社にとってもチャンスの可能性があるのかを探ったりします。

お客様以上にお客様の事を考える事ができれば、ニーズの先回りが出来る事でしょう。

脅威

経営をしていく上では、脅威は必ずあるものです。事前にリスクを想定しておくことで、リスクへの対処が可能となります。

機会を探る際のPEST分析や3C分析の中で多くの脅威が見つかる事でしょう。
さらに、5フォース分析というフレームワークを使ってみるのも良いでしょう。

5フォース分析
  • 新規参入の脅威
  • 買手の交渉力の脅威
  • 供給企業の交渉力の脅威
  • 代替品の脅威
  • 競争企業の脅威

事業環境における5つの競争要因をもとに外部環境を行います。



このようにフレームワークを組み合わせて色々な視点からSWOT分析を行っていく事で、
詳細に踏み込んでいけると思いますので、是非試してみてください。

クロスSWOTで経営の戦略を立てる!

クロスSWOT

いよいよ本題の戦略立案ですが、先ほどのSWOTをもとに戦略を練っていきます。

戦略は以下の4つのものを総合的に考えていきます。
重要な事は情報を整理する事、その情報から論理的な戦略を立てる事です。

クロスSWOT
  • SO戦略:積極的攻勢戦略(強みを使って機会を捉える)
  • ST戦略:差別化戦略(強みを使って脅威に立ち向かう)
  • WO戦略:段階的改善戦略(弱みを克服し、機会を捉える)
  • WT戦略:防衛又は撤退戦略(弱みと脅威から合理的判断を下す)

このように強み(S)弱み(W)機会(O)脅威(T)を組み合わせて、情報を整理していく事で、当社にあった戦略を立案する事につながります。

SO戦略:積極的攻勢戦略

SO戦略では、強みを使って機会を捉えるという王道の戦略となります。

SWOTで出てきた強み(S)、機会(O)を確認し、当社にとって必要な戦略について考えます。
当社の強みは、このような機会に対し、有効なのではないかといった事を検討したうえで、戦略を立案します。

例えば、強みは1/1000㎜の加工技術、機会は微細ニーズの増加といったものがあれば、単純に1/1000㎜の加工技術を使って、微細ニーズを捉える「微細加工戦略」といった形です。

ST戦略:差別化戦略

ST戦略は主に、差別化戦略となります。
厳しい環境の中で、どうやって他社と戦っていくかを中心に考えます。

強み(S)と脅威(T)を分かったうえで、強みを他社よりもアピールするためにどうすれば良いかだったり、強みを脅威に対応すべく変化させたり、といった戦略を考えていきます。

例えば、強みは1/1000㎜の加工技術、脅威は他社の加工精度も向上してきているといった状況であれば、恒温室による加工や測定室・3次元測定器などの充実をアピールし、1/1000㎜の加工技術を根拠を提示する「高精度加工の裏付け戦略」といった形です。

WO戦略:段階的改善戦略

WO戦略では弱みを克服する事で捉えられる機会があるときの戦略となります。

例えば、弱みが精度重視のため短納期対応が苦手、機会がものづくりベンチャーの試作品ニーズといった状況の場合、現場改善や新設備導入、IT導入などで、リードタイムを短くしていく事で、短納期を実現する「短納期試作品にも高精度を提供戦略」といった形です。

WT戦略:防衛又は撤退戦略

WT戦略は防衛又は撤退を考えるものです。弱みと脅威があまりに大きく、対応できない状況の場合には、一部事業から撤退する事や、現状維持の決定をする必要があります。

弱みを切り捨て、強みに資源を集中するといった事が必要となる場合もあるでしょう。

クロスSWOTは総合的に検討すべき!

このようにご紹介した4つの戦略ですが、どれか一つを作るわけではなく、4つすべてにおいて検討を行い、戦略設定します。

さらに4つの戦略の中にも複数の戦略が生まれる事が自然ですし、それだけ多くの要素がある中で、一番確実性の高い戦略を選択する事が重要となります。

戦略決定では、自社の経営資源の範囲で優先順位を決めて、いくつかの戦略を実行に移していく事が重要となります。
全てをやる必要はありませんし、必要なのにやらないといった選択肢もありません。

必要な事を着々と進める事が、当たり前ですがとても重要なのです。

経営戦略 テンプレート

G.F.Consultingオリジナルテンプレート

G.F.Consultingでは、経営戦略の立案に使えるテンプレートを用意しました。

SWOTによる現状分析をして、クロスSWOTへと転記されるようになっています。

当記事を読みながら記入していくとより戦略が立てやすくなりますので、是非活用ください。

メールとお名前だけの入力でダウンロード可能

簡単な入力でのテンプレートをダウンロードできます。
名前とメールアドレスの送信頂くと、ダウンロードページが表示されますので、
是非使ってみてください。
ダウンロードページはこちらから

まとめ

経営戦略の立案のうえでは、現状を知り機会・脅威に対し、当社の強み・弱みをどう使っていくかを検討する必要があります。

SWOTを基本として、その中で3CやPESTといった外部環境の要素、そして4M・QCDといった内部環境の要素を検討する事で、戦略を練りやすいと考えます。

SWOTで出た情報をもとに戦略を立案する事で、現状を踏まえた確実性の高い戦略を作る事につながりますし、実行計画も作りやすくなるはずです!。

是非テンプレートを活用して、事業の成長につなげていってください。

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この記事を書いた人

GFC 上村正和
GFC 上村正和 中小企業診断士・日本生産性本部認定経営コンサルタント・1級販売士

職人一筋、木工加工から精密金属加工までを経験。精密金属加工会社では工場長を務める。現在は、中小製造業を対象に現場が活きる経営のサポートを行っている。コンサルティングを中心にのべ100社の支援実績。「日本の製造業をもう一度世界一にしたい!」という想いで支援を続けている。